自由或いは生きる意味/梅昆布茶
誠意ある看護 の横断幕のある待合室では
ときにちょっぴり醒めた眼をして残りの人生を数えてしまう
心は瞬間の五感の外界との交感
二度とはないであろうカレイドスコープの断面を
いつも通り過ぎて生きてゆく
病院の長い廊下は何故か永遠に繋がっているようにも思えて
自由への逃走経路のように非常口へ走る人の緑色のシルエットが連なっているようだ
でも春野に芽吹くいのちは何故か嬉しくて切なくて言葉にする必要の無い世界からの回答なのかもしれない
きっと病室の窓は何かに向かって開け放たれなければならないのだ
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