春の熱/
砂木
校の事も しばし忘れて
氷は透き通っていて 私には見えなかったけど
やがて女の子は氷を捨てて 男の子と一緒に
いつもの通学路を いつもの時間で歩くのだろう
汚れた手は どうしたのだろう
雪にでもこすりつけて 手袋はポケットだろうか
キラキラと陽に反射して 綺麗な泥水の氷を
手にとりたいとは もう思わない
汚れてもいいから 手にしてみたいとは
あの日に 帰らなくていい
でも あの子に しばらく みとれてた
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