しんちゃん自暴自棄?する/アラガイs
 

「これは自殺予告ではないのか 」

遺産相続人が消えてから二年が過ぎた
人生を生きるにもさまざまなレシピがあって

たとえば、やけに背中の丸い女性が線路を行ったり来たりしてる

ぼくがその知らせを聞いたのは潮が満ちてから、電車が通過して一時間後だったのに

開放された窓の外はいつもの見なれた景色だから、そいつの隣に座るのが嫌で嫌で仕方なくて

憂鬱な気分って目のまえに/がはしる、それでも内心気になりながら眺めてはいたんだけどね 。


「音楽教室の授業が楽しくない理由 」

有線が流れる店の中ですれ違うのは、いつも女の子だった。

妻と家主は会う
[次のページ]
戻る   Point(4)