むまのきつりやうきつにのをか中くぼれいりくれんどう/6
 
 いつも変ったものを食べようと思っている。なぜなら、ありきたりなものばかりを食べていてもつまらないから。人生は苦しみにひとしいが、その苦しみの中にあっていっときの楽しみといえば食べることをおいて他にない。
 昨日は鮒鮨を食べた。琵琶湖畔の道の駅で買ってきたもので、640円だった。よくにおいがひどいといわれるが、自分はそうは思わなかった。頭から骨ごと齧って食べた。ただし噛み切りにくかった。

 この前は焼き肉屋でコブクロを食べた。コブクロには味がなく、イカのような食感だった。ただ、食べているとごくたまに血のような濁った味がした。血のようなというのは曖昧な比喩で、実際には違うかもしれない。その前
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