穴/月
朝、起きたら大きな穴が体に空いていた
ぽっかり空いた穴
心臓骨肺…これって脂肪てやつかな?
でも母に聞くと何言ってるのよって頭叩かれた
どうやら私しか見えないらしい 外に出ても平然とみんな通りすぎてく
気味悪かった
でもテストあるし皆勤ひそかに狙ってたし
学校には普通に行った
カリカリ シャーペンと紙が擦れる音しかしない教室
いつものことなのになんか苦しかった
落ち着かない
手の先から冷たくなってく
チャイムがなると誰よりも一番早く席を立った
ガッチャと錆付いたドアの音 誰もいなかった 息ができた
なんか体動かしたくなってどっからか聞こえてきたラジ
[次のページ]
戻る 編 削 Point(1)