鉄砲玉爺さん/たいにぃぼいす
 



そう言ったままシャツを捲り上げる爺さんに
僕は訳が分からないまま

訳が分からないまま
そして、の
傷跡だった


鉄砲玉は痛かった、と
無言で語りかける傷跡

傷跡だった


今日は違う話をしよう、と
戦争の話を始めた爺さん

僕は鉄砲玉に
僕は鉄砲玉になりたくはなかった

なりたくはなかった



その日の最後に爺さんは
天気についての話をしてくれた

明日は雲一つ無い快晴だろう、と


天気予報では雨だ
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