蛸足都市/
 
居酒屋の光よりきらめく汚らしさであいつは急速的に収縮を始める。

瞬間的な突風に揺れる物干し竿のざわめき、
びくついたあいつの惨め、
管は幽霊のように電柱の帳を越えて、
机の引き出しの中の発信器が嘶く。

伝令は無数に降り注ぐ管だった
身動きの取れなくなるほどの声の雨
あいつは目玉に刺さったひとつからこちらに向かう叫びみたいな光を見た

誰も彼もがいないいないばぁを試そうと
管をたどり始める暮れ
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