星々に促されて/かんな
春を待てば
冬を追いかけることもなくなる
空が白い
雪も
ことばもどこか
白濁するような気がして
ガラスを磨くように
推敲してしまう
幾重にも層ができ
こころの内は形を失う
曖昧で抽象的なことばしか吐けず
具体性を失くし
そして
私はそれこそを
本質を見出すことだと
大きな過ちをおかす
夜が眠る
星々に促されて床につく
海に横たわるのだろうか
などとまたひとつ
想像をする
創り上げられたものなど
形のあるものなど
ひどく怖いのだと言う
どこかで
壊れることを恐れて
甘い
蜜のような現実に酔いしれる
酒などでは到底
辿り着くこ
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