愛と誠/たにい
奴らに馴れ従っているよりはひとりでいる方が気楽で良かった。
男の子の友達はいなかったけど女の子からはよくもてた。ある種の女の子にとっては憧れの対象だったようだ。異性への興味は人一倍あるくせに、誠は臆病だった。自分の弱点を認めたくなくて今度は女性を軽蔑することで乗り切ろうとした。この雌豚どもがと。
複数の女の子たちに取り囲まれてチヤホヤされている間は快調に冗談を飛ばしているのに、二人きりになったらもう大変。変な事をしたり言ったりして軽蔑されるんじゃないかと態度がぎこちなくなる。その内心を気どられのが嫌で妙につっけんどんな態度を取って結局は嫌われる。それがわかっているから極力女の子とは二人切り
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