即興詩 2.11/相田 九龍
美しい模様が核を遠ざけて貪る無駄、憐憫を描く隙間に安らかな寝息が空を裂く、不明確な時間間隔の夢が笑うビルの中で、手のひらがあった、温かい
1000人が死んでもニュースにならない国があって、あなたはその国の名前を知っていて、現実から逃げるために向き合う振りをして、裂けた空から見える水子の町
合図を待って理由を失くして、意思を笑ってつけっぱなしのテレビを消したその指で、少し向こうの街までの切符を買って、隣がどこかも分からないまま
橋を渡って遠くが見えた気がして、情報の渦を血に混ぜた、けれど体はそこにあって、誰にも知られずあなたが泣いた、そのことを覚えてるのはあなただけ
眠れそうにない裏側の世界
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