記憶のそとで/
村上 和
遠い記憶の外側でも
君は一緒に泣いてくれるでしょうか
あの頃の僕と
あの頃の君は
手を繋ぐ事は永遠に出来ないけれど
僕と君の記憶の外側で
すれ違いながらも手を取り合う事は
もしかしたら出来るのかもしれません
独り考えていると
はらはらとただ降り続き
涙の理由のように溶け落ちて
「後ろばかり振り返っていてはだめだよ」と
記憶の内側から
微かな声が聴こえました
記憶の外側で今も時は積もっています
はらはらと
降る雪のように
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