大人の味/Tシャツ
 
いから…ふふふ。 これこれお見舞いで持ってきてくれたんだけど、好きなら君も食べなさい。トラヤって有名な所のだよ。 ほほぉ、いよかんにも高級産地があるのか!なんてこった!最高の朝だよ!僕はそう思っておじちゃんの手元を見る。箱を持っている。大きさはB5用紙程の大きさ。
あああああああ!!!僕は気付く。これは、ようかん…そしてこの世で一番嫌いなもの。僕はあんこや和菓子の類が、本当に嫌い。 色んな味があるんだよ。好きなのを取りなさい。 く…っ! はい頂きます… 普通の・抹茶・梅・コーヒーようかんが三口サイズほどに分けられてビニールに包まれている。僕は出来るだけ、出来るだけ和菓子から遠いコーヒーを選ぶ。 ワァ ウレシイナァ。僕は大人だ!二口でいく。あああああ…苦い……甘い、これは…一体。
…大人の味か…! コレハトッテモ オイシイデス。トラヤッテスゴインデスネ。僕は自分がようかん好きであるという設定を忘れない。 そうかそうか、もう一ついきなさい。
僕はおじちゃんの好意がうれしくて、大人の味を覚えた。
戻る   Point(4)