虚空へ/
はなびーる
剥がしても
どんなに剥がしても
もとの顔は現れない
そのうちに
お父さんとお母さんだった人は
ケケケケケ……
ヒヒヒヒヒ……
と笑いながら
あなたの名前を呼ぶこともしないで
新聞も飲みかけの紅茶も
ベランダの布団も可愛い黒犬の散歩も
何もかもほっぽらかしてしまって
てんでに
虚空へと
飛び去って
しまうのですから!
(旧作)
戻る
編
削
Point
(2)