墓について/salco
め
今一つ別荘を建てる事にしたらしかった
かの新人類が時間と空間の歪みを発見するより遥か以前に
下々の、しかも単純低劣な思考様式をしか有さぬ先人達が
見た事もない世界をひり出していた功績は
しかし何の驚きにも不都合にも当たらない
観念こそは魔法の杖だ
そのかみ着火の物理学以外
科学の か の字も無かった暗愚の時代
およそ不可解で理不尽な自然の摂理に
無知なる人間が対抗し得る手段は観念しか無かった
―― 今もそうでなくもないが
人間は唯一、頭の中で
WHYとWHY NOTを頻発する動物だ
その脳髄に深く突き刺さった性分は
(或いは林檎とも言うが)
単に不思議がるの
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