水槽部屋/山中 烏流
を
集めた君が
今
ここで
括ろうとした首
ひたすらに朽ちようとする
この部屋を這い出して
伝えようとした、細い腕に伸びる
傷
酷く優しい、だなんて
言うなよ、だなんて
なあ
擬音ばかりを口に運ぶようになった
あの日
君を
殺してしまいたかった
いっそのこと
君が死んでしまえばよかった
室外機の低く唸るような子守唄に
頭を打ちつけながら
玄関を叩く
何もかもより、君を選んで
私の
湿りきった
たくさんの、幸せな未来を描いた、言葉で
君を
溺れさせてしまえば
唇を噛み合った
君の背景が、途端にふやけていって
遠くで
澄み切った鐘が鳴る
窓の外に架かる虹を指して
君は
何度も、繰り返し、
投降を叫んでいる}
戻る 編 削 Point(2)