六時間の結晶/komasen333
れた。ある程度にまでまとめたものをしかるべきところに出して、一度、一定の評価が下されればそれでもう十分」
「六時間の日々はどうするんです?僕なんかまねしようとしてもできない。努力しようとしてもとてもできない。あなたのようには。濃密な量と質を保った六時間の結晶化を投げ出すんですか?」
「いや、それはもう日常の一部のようなもんだから当分まだまだ続ける。中毒みたいなもんだから。ただ、演者になるのはもうやめたってこと」
それを聞いた途端
発する言葉という言葉は、まさに枯れるように途切れた。
ああ、六時間の結晶化は続けていくのかと。
その事実を知りながら僕は表舞台にふらふら上っていけたとして、劣等感を来る日も来る日も感じずにはいられないのかと思うと、絶望以外の何ものでもなかった。
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