かなしみ/rabbitfighter
なたと再開するのは、あなたと出会ったのと同じ場所。
つまり僕たちは等しい速さで環状線を回り、
何度も何度も出会っては離れ続ける。
いくつもの波紋、いくつもの円、いくつもの中心。
やがて宇宙から隕石がやってきて、
アラビア半島の先端に落下する。
アデン。
そしてかなしみがやってくる。
僕の街を濡らしてしまう。
僕は世界という円盤の中心にある古ぼけたマンションの屋上からその様を見ている。
妙に暗い色をした傘を差したまま。
やがて街は水没するだろう。
沢山の傘がその水面で踊るだろう。
僕の死体だけがその中で漂っていた。
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