昇華/あぐり
よくなっていくものとして
すべての流れがあるのでした
散って昇って
咲いた花
ゆるしてくれなくても
いいの
それはもう
いいの
ひとの、
肩の軽やかさなんて
知らないままで
何層もの季節の風にふかれて
それでもほどかれないわたしの身体を
愛している人もいます
呼吸も声も
すべての音を拒んで
わたしは無音の筒になりたい
愛してくれてもいいの
それはもういいの
ぜんぶよくなっていくから
ゆるしてくれたって
いいの
冷たい指でさわってしまう
まぶたをふせてしまう
よくなっていく流れのなかで
肩ごしにすこし
わたしのにおいを見送っている
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