one by one/アラガイs
 

冷たい夜の風に星は瞬き
この頃よく夢にみる、すれ違いに別れたひとたち
呟いても、のみ込んでも、きみの言葉が思い出せない
…遠く、ひとつ、またひとつと寂しさが重く肩に積まれて
振り返れば哀しみに彩られた、春の畦
そして、足早に通りすぎた街
人々は小菊を手に身を屈め
何かをみつめながら落ち葉を踏みしめる
一月の青空のなかへ
ゆっくりと、また歩きはじめてゆく










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