ゆきのそら/ささやま ひろ
 
いから

一人ぼっちの僕の部屋を
君がノックした
誰も入ることのなかった
一人ぼっちのこの部屋に

たくさんの人が
これまでたくさんの人たちが
僕の部屋をノックしたけれど
みな扉越しにごあいさつ

君のノックの音だけは
他の誰とも違ってて
何の迷いもなく
僕は扉を開けた

舞い落ちる雪は変わらず美しく
瞬きをする間に消えていったけど
愛が雪のようではないってことを
僕は初めて知った

僕のとなりには君がいて
確かなぬくもりは手のひらに

二人で空を見上げる

僕たちは雪に魅せられる




戻る   Point(9)