ゆきのそら/ささやま ひろ
いから
一人ぼっちの僕の部屋を
君がノックした
誰も入ることのなかった
一人ぼっちのこの部屋に
たくさんの人が
これまでたくさんの人たちが
僕の部屋をノックしたけれど
みな扉越しにごあいさつ
君のノックの音だけは
他の誰とも違ってて
何の迷いもなく
僕は扉を開けた
舞い落ちる雪は変わらず美しく
瞬きをする間に消えていったけど
愛が雪のようではないってことを
僕は初めて知った
僕のとなりには君がいて
確かなぬくもりは手のひらに
二人で空を見上げる
僕たちは雪に魅せられる
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