星の子供達/梅昆布茶
ヒマヤラの山壁をかけのぼってゆく風なのです
ピラミッドを風化させ紫禁城を高みから見下ろし
幾多の戦場の血の匂いを拭い去ってきました
120臆光年の未来からやって来た僕らは
この緑色の星を循環させます
祈りのある人びとにはたぶん僕らの姿は見えるのですね
メタセコイアや翼手竜やバクテリアの次元の命までも光をとどけたいのです
風のなかにすべての生きとし生けるものの喜びや哀しみや叫びをのせて
僕たちは巡ります
目的はありません
意味も求めません
ただただ星の光をとどけたいのです
循環する世界の片隅のすべての場所へ
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