はるかなひかり/水町綜助
 
さえぎるか光を
くるんで
やわらかく
綾の隙間から
洩らして
細かく広がらす
カーテン

何色の
覚えていない
光は
白く
覚えている
きみの輪郭を
白く飛ばして
放射状に
飲み込まれて
気付いていた
失われていく
体の縁を

まつげを
撫で下ろすように
伏せて
すべて安楽した
静寂の中に
降り積もらせる
しんしんと
スノードームみたいな眼


わたしが死んだら
ぜんぶなかったことにしといて

なんとなく残り香
感じられるのも
しんどいから


冬の空気の匂いは
けして青くない
白い匂い
雪ではなく
白い息でもな
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