私ごと/月乃助
 
なことが平気な女だった



細波の話


愉楽のふねにただよう

女は、男といると
楓の葉が色づくように、肌がほてった

月の映る湖面に
小さな石が投じられ
波紋がひろがっていく

男のたくましい腕枕に眠りながら
女は、その波紋のゆくへをおっていた

いつかそれもまた
静謐な湖面へと もどってしまうのだろうと
そんなことを想いながら







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