消しゴムの詩/
森未
も
何にもしてあげられないんだけど
こうしてここにいられて僕はよかったと思っている
思いの伝えられる君たちみたいならなあ
それがひとつ心残りです
もうそんな無理に消そうとしなくていいんだよ
ていねいな君は
僕をそっとゴミ箱へ入れる
次は君たちみたいだったらなあ
転がって、わめいて、乱暴に扱われた時は怒れるのになあ
そんなわけにもいかないのです
せめて最後
君の手で
ゴミ箱へ
ありがとう、さようなら
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