冬の闇たまり/
within
な恋心をたよりに
詩を歌った
今日も街に出て、言葉に想いを乗せて
石礫を投げる
そんな優しい時代もあったと
処刑台の前で女が思う
ここでは風を感じない
寒さだけが滲みてくる
女が思ったのは
あの時の少年が生きていてくれたら
きっと違っていただろう
という気持ち
薄暗い部屋で念仏を唱える母は
もう女が死ぬことだけを望んでいる
未来などもう必要ないと
黒い涙を子宮から流しながら
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