名前などない/凪 ちひろ
 
裸で歩いてても怒られない部屋
人恋しくなるから お酒は きらい きらい きらい
誰かに触れてほしくなるなら 初めから終わってて
退廃的な歌におぼれれば 少し楽かな
みえない 感じない 何もない
たまに雨が頬つたう
後ろ振り向くの きらい きらい きらい
そうやって着たいもむしの皮

女という言の葉を着た
それ以外仕方なかった
何も変わんなくて 小石が水にぽちゃん
頭が痛いから 今日はもう寝る
でもそれ 昨日もだっけ

昨日が明日で 今日が昨日
描いた夢 虹色 マーブルに溶けて
小学校の 図画の工作
不完全な魅力 逃れられない引力
どんな風に祈れば マリアのように見える?
牡丹の花が咲くように きみが笑った
薄もやの中の あわい記憶
青い 青い いつぞやの
願いたくない 昨日

突然の音におびえて 突きつめれば
事は単純で
花火の光が恋しくて 空を見上げました
歩いてきた道 指でなぞって
姑のように息吹きました
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