十一月のギフト/キメラ
傷ついた閉瞳で舐める
揺らされた繁殖に髪は巻き付き
何度でも伸ばせる気がしたんだ
白日へ孵って逝くから
軽い動機
壁一面の恐慌に俺の体温は巡り
流れないセセラギ
燕が半纏した置き去りの空がちぎれた
【優しい】よ
三回喚んで七畳は変化を促す
固まっては心筋の腐乱が俺の内在をなぞり
なぞって水性の雲に灼けほぐす
ガーシュインいやラヴェルだ
脳波と無効の饒舌に憂い
朱黒い回帰線が揺らしながら咬み砕く
安楽に廻され
指の皺から響く何時かの叫び
自惚れられたら
虹色の雫を丁寧に棚に並べ
硝子は俺の頬を切り撫で
裂い
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