月へのコラージュ/草野春心
 
からタイクツ
  ペダルを踏む
  鍵盤を弾く
  くろいのを弾く
  低く
  低く低く弾く
  歌い始める
  しろいのを弾く
  なぜならわたしが踏んでいるから
  踏むことを
  生きているから
  証しているから
  足の裏で
  生殖をくりかえす
  わたし
  ひかり
  ひえて
  しろい



 「証言」

  《わたしは、
   アスファルトの中で眠っていました》

  《固かったのですか》

  《いいえ、
   固さはありませんでした》

  《工事は行われていたのですか》

  《はい、
   それはもう
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