大、大、大、だぁ〜い好きー1/草野大悟
 

「佐藤陽子です。よろしくお願いします」といって、ぴょこんとショートカットの頭を下げた。

彼女の運動神経は抜群で、かけっこも、跳び箱も、お遊戯も、縄跳びも良くできた。
今まで、私が余裕で一番だったのに。幼稚園に行って初めて、私はかけっこで二番という屈辱を味わった。
家に帰って、父と母にそのことを話した。二人は、ほう、と少し驚いた顔をしたけれど、父がすぐに「な〜に、そのうち朱理が一番だってみんな気づいてくるよ、もちろん、先生もね」そう自信たっぷりにいうので、私もすこしばかり安心して眠りについた。 
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