vivid/水町綜助
 
を突っ込んでみたあの日
つち、
とても繊細に作り込まれた
大地の上に
蟻、が縦横に
住民が暮らし
歩いて
木々、雑草は
密林だったなら
どこまでも
中心の針穴に
向かっていく
糸の視線で
縫い止めていく
取れたボタンを夜に
カーディガンの
みっつめ

そんな所作について
愛情を見つけ
その白いボタンを
つまむ指を
てのひらでつつむ

つまむ指は
マッチボックスの中に
解体された家々をつまみ
出口のない構造の建築物を
てのひらでつつむ

伸ばされた指は
クリスタルプランツのすこし澄んだ場所をつつき
撫で
そのおまえの蓮に似た身体を

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