黒猫のとげ/
瑠音
色は黒
猫は黒
色は黒
「 不吉と呼ばれることもしばしばですが
それはそれで
私が不幸になるわけではないので
満足でございます
しかししかし御主人
どうかどうかこの体
住み着いてしまったこのとげだけは
抜いていただけませんでしょうか 」
其の猫無傷
其の猫無傷
しかし彼には彼だけに
みえているとげ其の深々と
刺さる様は彼しか知らず
痛くて痛くてしょうがないんだ
不吉不吉といわれるたびに
まるで息をするように
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