リンゴを買って/
wako
いき
老いた母がつぶやく
「いつまでたっても不器用ね」と
大きな娘に
何がきっかけだったのか
きっかけなどなかったのか
それは理解のむこうがわの事
突然、言葉が荒れ狂い
つむじ風の様に舞い上がり
絡みつき
追いつめて
詰めよる
のしかかって
突き刺さる
「こんなリンゴは食べられない!」
正論など
何の防御にもなりはしない
首をすくめてやりすごす
夜も
闇も
いつかは友達になれるかも知れない
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