リンゴを買って/wako
 
いき
  老いた母がつぶやく
  「いつまでたっても不器用ね」と
  大きな娘に

何がきっかけだったのか
きっかけなどなかったのか
それは理解のむこうがわの事
突然、言葉が荒れ狂い
つむじ風の様に舞い上がり
絡みつき
追いつめて
詰めよる
のしかかって
突き刺さる

  「こんなリンゴは食べられない!」

正論など
何の防御にもなりはしない
首をすくめてやりすごす

夜も
闇も
いつかは友達になれるかも知れない
戻る   Point(2)