ある夏の日/
菜穂
風がカーテンを揺らす
私は誰かの洗濯物をたたんでいる
ふと眼を向ければ
貴方の優しい眼差しがある
私は微笑みを返す
時の音は静かで
街の音は風になり
また吹き抜けては
あなたの視線を奪う
汗ばむ部屋の中
時折吹く涼しげな風
それは誰かの想いか幻想か
風吹くその先には
必ずあなたが居るのよ
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