すみれ/
あかり
折れた爪を噛みながら
僕はページをめくり続けた
乾いた唇を舐めながら
私は楽譜をめくり続けた
君のフルートの音色が
あなたの本のインクの匂いが
夕暮れの この教室に満ちて
思わず 愛を告げそうになったけど
君が
あなたが
あんまり綺麗だったので
伝えたい言葉を
忘れてしまったよ
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