運動へのコラージュ/草野春心
 
つつ、ある、ない、あ
  る、ない、を回転しつつ、を、回転し
  つつ、わたしはここで修辞されている、
  を問い責められつつ、ある、ない、あ

  *

   その暫定的な果実は口をつぐんでい
  るものの、未だ見ぬ速度を児のように
  孕んでいる。きみの舌でほとばしるこ
  とも、白い指の谷間に付着し、舐めと
  られることも、こうした総体としてわ
  たしに注がれることも、既に予感とし
  て結実している。
   その暫定的な果実は口をつぐんでい
  るものの、棄ててきた速度を親のよう
  に弔っている。《放られる》を想起し、
  《落下する》を辿り、《成長
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