天秤座/
つむ
身体
空に残らない廃ビルの巨大な影
わたし
普遍にして陳腐なるタンパク質
わたし
重い肉のなかでのたうちまわる刹那の客人
わたし、夜の境界を落ちてゆくわたし
紙という質量のかなたから訪れる言葉の群れ
ペン軸のかなたへ去ってゆく言葉のひれ。
肉塊にからまって長い時をおちてゆく
泳ぎいでればそこに
天秤座の左肩がまっているだろう
わたし、反転と永遠のはざまにて
世界をこの夜わななかせる
わたしという
不在。
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