無病息災 生きている 小学編 4/Tシャツ
。母に聞くと、おねえちゃんは北海道に帰ったって言う。死んじゃったから。棺に入って飛行機に乗っておうちに帰ったのって。僕は家に帰れたんだねとか、もう痛い注射とかしなくていいとか、そんな事でいいなぁとか、よかったねとかそんな気持ちではなくて。生まれて初めての気持ちが頭の中にできる。飛行機がお姉ちゃんの入った箱を載せて、空に飛んでいく。おばさんは飛行機の椅子に座っている。一緒の席には座れない。隣の席には座らせてもらえない。景色も見れない、もう何も見れない。僕等がいた病院を出る事すら見れなかったんだ。きっと僕はこのときに大人に少しなったんだと思う。あんなに辛いことばかりだったのに。家に帰るのにお母さんの隣
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