雨音の旅路/つむ
 
 日常、日常、日常ですよ

茶目っ気を覗かせて言うので

 ああフルハウスですね
 始まりと終わりを足して。

私はひどく安堵して 座席にもたれかかり目を閉じる。

 そうです 等しいのですよ

何度目かのまどろみに落ちようというとき
再び連れ合いの柔らかな声音が聞こえ

 終わりには全て 差し上げますからね

ええ、どうか そうして下さいね
呟いたつもりで半分は
浸水する夢のなかを 走ってゆく 銀の列車。

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