感受性/木屋 亞万
 
感受せよ
目で耳で肌で
感受せよ
全身を媒介にして

詩を書くということは
何かを感じて
何かを受け取って
言葉へとまとめていくことだ

身の回りの世界
一行目の言葉
差し出されたタイトル
感受せよ
心のままに

感受したものを詩に置き換えることが
新鮮味を失い
徐々に習慣化してきた
次第に一度感受したことのあるものを
何度も感受するようになる

季節

時の流れ
感受される内容に
新しいものが見出されなくなってくる

感受性がなくなったわけではない
たぶん衰えてもいない
しかし新しい言葉が出てくることもない
これが私の感受性の限界
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