月に/ねなぎ
ベットしか無くて
僕は床に座って
カーテンの向こう側に
見えていたのは
外灯だったろうか
照らされた本を読む
横顔を
確かに見ていたけど
こめかみの傷しか
覚えて無くて
窓を開けても
暑くて
それでも
甘い匂いがした気が
する
ねぇ彼女とか居るの
焦った僕は
汗を拭うのも忘れて
そういうの未だなんだ
咄嗟に
隣の二階を
見上げて
そして
間の抜けたように
話題を変えたくて
怒らせときゃ良いのよ
いつも何だから
勝手に怒らせときゃ
良いの
やたらと髪の毛が
指に絡んで
何を言ったろうか
何を喋ったろうか
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