渇いた氷/
木屋 亞万
前の見えないところから
ぼろぼろと零れ落ちて
お前の醜態をさらすだろう
と
ドライアイスは言った
僕の耳はもう自分の内側の声しか拾わない
僕の口は元々言葉を受け入れるようには出来ていない
だからあなたのくちづけを待っている
あなたが僕の口から渇いた氷を吸いだして
僕を目覚めさせてくれるのを待ってる
僕はもう
ずっと
庭で
倒れたまま
あなたを呼んでいる
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