夏の光/
yo-yo
戻れそうで、戻れない
記憶をたどる
指のさきに、夏の
光があった。
光は
しずくとなって、
虹色の、かげろうをつくった。
ゆらめいて
いのちのかたち。
輝いて
一瞬を生きている。
夏の
光のさきに、
すきとおった羽根があった。
帰れそうで、帰れない
虫たちの
それぞれの夏が
ある。
光の
音階をなぞる
かげろうの、指を追った。
届きそうで、届かない
つくづくおしい、と
嘆いている
つくつく法師よ。
夏の光の
影はみじかい。
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