天の川を踏みながら/長押 新
夜の国分町の道路は汚くて/ヒールを履かないと歩けない/アルコホールより/香水の匂いがしている/香水よりもタバコの匂いがしている/前を歩く人を/見失うような道ではないのに/◆/◆/◆/黒い点になって/飲み過ぎた大学生の奇声に/唾を吐いている/笑い声が金平糖のようにチカチカ弾けて散らばっている/調子に乗った未成年の/奇声/その金平糖を潰して歩く男の足跡が/天の川に見える/天の川をヒールで歩く/隔てられながら/歩いて行く/お前ら/そんなに騒ぐと此処に閉じ込めちまうぞ/どうせ/木の体で出来ているんだから/心は/別なんだから/大学生の尻に蒙古斑が見えて/ふくよかな心が/萎んでしまう/
▼なんで/ここに
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