冬/ズー
海に帰る男の子がふえている。海に帰る途中で冬になった東京に寄り、からだを売り飛ばす男の子がふえている。海猫がコロニーをつくるビルを、非常口を確認するように稼いだ金を数えながら、のぼる。うにゃんと鳴きながら旋回を繰り返す海猫のこどもが眠る。塩分の含まれている、からっ風に乗り、海猫は屋上にコロニーをつくる。36階で毎分、お茶くみを頼まれている、くみちゃんがうにゃんと泣いている。旋回を繰り返す、海猫はこどもが眠れるようにコロニーをつくる。海に帰る途中の男の子がビルをのぼる。係長にお茶を頼まれた、くみちゃんがうにゃんと泣いている。海に帰る男の子がふえて、からだを売り飛ばす、海猫がふえている。こども
[次のページ]
戻る 編 削 Point(3)