ぽっぷこおん/リンネ
 

 男と女が協力してわたしに覆いかぶさった。密着した二人の汗腺からしとしとと、溢れ出したのは豆電球だった。わたしの顔に立ち昇った光が、眼球の中へ逆流していく。どんどんと。そして皮膚の深くまで、光を失った男は星空になった。女の、豆電球がみっしりと繁茂した顔が伸びて、わたしに覆いかぶさっている。わずかな隙間から、前方に浮かぶスクリーン。無数の流星が、真黒に煤けた天井から落ちて、発光した。発光し、スクリーンが浮かぶ。映し出されているのはわたしだった。スクリーンサイズの。それはこちらのわたしを探している。ひどく困った顔で。そして見つかることのないわたし。わたしの名前を呼び始めるスクリーン上のわたし。視界は
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