手を翳す不安/
アラガイs
そんな夢はもう永遠に期待できないだろう 。
大きなあたまの蟻が一匹、また一匹と砂地に消えてゆく
カラスは飛び交い
奇妙な枝に掴まる長い手で必死にもがいている 。
あたまのなかではいつもわかっていた 。
棺桶の中に眠るのっぺらぼう
それは、誰だろう 。
振り返れば、少しずつ予感された斜面を下っているではないか
そして山を登る
そんな予定は、今も無かった 。
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