ゆうぐれゆらら/凛々椿
 
向いて
あくびをしては伸びをして
舌を出してはのんきな顔をして
でも時々ちいさく鳴く
だれにも聞こえないように ちいさく
ちいさく
ボクが色白の友達をなくしたことはこの界隈の住人はみんな知っているけれど
彼が灰色の友達をなくしたことはだれも知らない
たとえ知っていてもだれも興味はないし
悲しむ人もいないけれど
見知らぬ人が行き交うこの町が彼のふるさとで
やがて死ぬのもこの町で
君はボクに気づいたのだから
だから
そばにいてくれたらと思う
夜の間だけでも










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