燐光、そのよいん/マナ
夜はおもいだされる
はがれおちる瓦を
煌々としていた青の炎でてらして
泣きさけぶこどもたちが
いっそう悲しみをました
手を
つかんで、はなさないで、でもあたたかさはつたわらないで
五秒間だけだって
この手はまたさまようのに
それは流れおちるなみだなのか
白く整えられたシーツが
空白の輪郭を
やわらかくする
凍えるね、
そうわらうあなたは
七じかんまえとはおんなじにみえませんでした
夢のなかでも光るあの青が
つめたく張った温度のひとみが
まだ許されないまま
この
こころのなかに
微かにのこった
まま
の
夜
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