さいなら/ズー
かえってきて、下着姿の女どもは、消滅した惑星を想いなきだし、騒いでいた男どもは、谷間から溢れた紙幣の皺を、黙々とのばし続けて、紋白蝶は蛹に戻り、青い花はぽとりと落ちて、わたしは、あなたに「詩なんて、もう、やめなよ」と、書き綴ることしか、できなくなる朝を、迎えるのです。とべなくなった、ぴーちゃんの、隣の家の子が、いじめて、みあたらない、小鳥の、ぴーちゃんの、羽の、先端の、いじめて、隣の家の子が、とべなくなった、羽の、ぴーちゃんの、とべなくなった、先端の、あなたに、手紙を書いてます。わたしはあなたに、こうして、手紙を書いています。ぼくは、この、かみきれに、平凡と名付けてから、ワイパーから抜き取り、 水色のバンを走らせている、どこかにぴーちゃんがいるであろう街の風に、さいなら、さいならと、捨てたのです
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