心星/あおば
 

いつもの調子で戸を開けた
夜も更けてゆくと
小腹が空いて
笹かまぼこも寝所を得るのに
眼をギラギラしてばかり
天井を見つめ
一晩中一睡も出来ないとは
どこの誰に似たのか
因果な性分だねと
手の掛かる子を持った母は
老いたメガネをかけ直す
夜はまだ始まったばかりというのに
照度計の数値がぼんやりとして読み取れない
節電もほどほどに・・
声にも出せずに呑み込んだ
(一晩くらいは保つかもね)







「poenique」の「即興ゴルコンダ」投稿作、タイトルは、小原 明季さん





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